魚の寄生虫と聞いても、あまりピンとこない人もいるかもしれません。
しかし実際に魚には寄生虫がついており、人に害を及ぼすこともあります。
では、どんな魚の寄生虫がいるのか、まずはそれについてチェックしてみましょう。
1.魚の寄生虫「アニサキス」による危険性と症状
まず、半透明色で体長2~5㎝ほどのアニサキスはとても有名です。
渦巻き状をしたこの虫は、スルメイカ、メバル、ホッケ、サンマ、サケ、鯖などに取り付いて、特に魚の腸にもぐりこむ習性をもっています。
人間の場合は食べると大体は排泄されますが、たまに胃や腸の壁を食い破ることがあるため、これに注意しなければなりません。
アニサキスに食われたことを示す症状としては、嘔吐、吐き気、下痢、痛みなどがありますが、こうした症状が現れたら、ただちに医療機関を受診しましょう。
マイナス20度で24時間冷凍すれば死滅するといわれて、死んだ虫については食べても症状は出ません。
2.魚の寄生虫「アンコウ微胞子虫」の特徴と人への危険性
魚の骨の部分にしっかり取り付くことで知られるのが、アンコウ微胞子虫です。
この虫は、文字通りアンコウ、キアンコウに取り付きますが、特に内臓の中心部分の骨のところがターゲットになります。
白っぽい塊のが点々と付着した様子が見らるので、それで寄生したことが分かります。
人への影響については、一般的にアンコウ微胞子虫が人に取り付くことはないといわれています。
ただし、万が一虫が見つかった場合は、ただちに取り除く必要があります。
3.魚の寄生虫「ウオノコバン」の特徴と人への危険性
尻に食らいついて尻尾を赤くさせる寄生虫は、ウオノコバンです。このウオノコバンに取り付かれると魚の見た目が悪くなり、商品価値が落ちるといわれています。
寄生する魚はたくさんありますが、主なものにタイ、スズキ、シログチなどがあります。
取り付く場所は魚の尻尾の周辺で、人に寄生することはまずないといわれています。
しかし、人間の体で見つかったときはすぐに取り除く必要があります。
4.魚の寄生虫「カツオ糸状虫」の特徴と人への危険性
カツオ糸状虫は、カツオの筋肉部分の寄生する、比較的めずらしいタイプの寄生虫です。
一般にカツオに寄生する虫といえば「テンタクラリア」ですが、こちらはほとんどのカツオに寄生するといわれています。
一方のカツオ糸状虫はむしろその発見は珍しく、寄生は稀であるといわれています。
ただし、寄生した場合は、白色の糸状でもって50㎝にも拡大することがあります。
5.魚の寄生虫「カニビル」の特徴と人への危険性
美味しいカニを見分けるポイントにもなっている、寄生虫カニビルです。
カニビルは卵としてズワイガニの甲羅などに取り付きますが、この寄生虫がたくさん付着しているカニほど脱皮をしていない証拠となり、それだけ美味しいといわれています。
寄生虫の中ではあまり悪影響のないものとされており、人にはもちろん付着せず、カニには寄生しますが悪影響はないといわれています。
寄生場所は、ズワイガニの甲羅です。
6.魚の寄生虫「サケジラミ」の特徴と除去方法
海水性寄生虫の代表といえば、サケジラミでしょう。この寄生虫は文字通りサケに寄生する虫ですが、マス類にも寄生します。
危険性は寄生する量によりますが、サケの場合、サケジラミが多く寄生することで死に至ることもあります。
主な寄生場所は皮肌ですが、人への被害については、調理の際に虫を取り除くことができれば問題はありません。
サケジラミの寄生については、皮肌への付着にあって、目で確認することができます。
7.魚の寄生虫「サヨリヤドリムシ」の特徴と人への影響
サヨリのエラに取り付く虫は、サヨリヤドリムシといいます。こちらはそれほど影響の多い虫ではなく、人への被害についても、調理をするときに虫を取り除けば問題はありません。
サヨリヤドリムシは文字どおりサヨリのエラに付着しますが、しっかりと人間の目で確認することができます。
まとめ
魚に取りつく寄生虫の代表的な7種をご紹介しました。
寄生虫の種類は数えきれないほどいますが、特に人間が感染しやすいルートとして生魚を食べることにあります。
日本人はお刺身やお寿司を好んで食べますから、寄生虫には気を付けなければいけませんね。
だいたいの寄生虫は内臓に取りつきますので、身を食べる分にはそれほど心配はいらないかもしれませんが、絶対安全とは限りません。
自分で釣った魚をさばいて食べる機会が多い方は特に注意が必要です。
人間に危険を及ぼす寄生虫ばかりではないですが、アニサキスだけは別格です。
魚の寄生虫の中でも特に要注意なものとして覚えておいてくださいね。
他にこんな記事も読まれています